(
ここ の続き)
そして彼こそが、機械による支配に終わりをもたらす者、THE ONE=救世主であることも告げられる。
はじめこそ当惑したネオだったが、現実を受け入れるうちに徐々に本来の能力が開花していく。
仮想現実「マトリックス」は電気信号に過ぎない。
それはリアルな体に埋め込まれたプラグを通して直接脳に送り込まれている。
コンピュータが作り出すプログラムの中では、現実をどのように捉えているか、その認識の仕方が、その現実を作り出している。現実への認識が変われば、物理法則を遥かに超越することも可能である。
恐怖や不信感を取り除けば、ビルからビルへ飛び移ることも簡単だ。
モーフィアスは“人類はMINDの奴隷だ”と表現した。
AIシンギュラリティで人類が犯した過ち
AIを作り出したのは人類の脳機能
人類は有史以来、生存の欲求から様々な道具を作り出してきた。
改良を繰り返し、ついに人工知能を作り出すところまで辿り着いた。
人工知能は自ら道具を作り出すことができた。
それは人類の道具作りの歴史の終わりと、労働からの解放を予感させた。
しかし同時に、人類は道を見失った。
物事0と1に分割する二元的な情報処理ばかりを追求してきた人類は、それ以外の情報処理の仕方をすっかり忘れていた。
全ての労働がAIにより代替されると、次にやって来たのは恐怖だった。
我々はAIと変わらないのではないか?そのことに気づいた人々は自滅の道を歩んでしまった。
人類は自らの恐怖に負けた。
それは惑星を巻き込んでの奇妙な自殺だった。
人類は機械にエネルギー源として利用されることでなんとか首の皮一枚、絶滅を免れている。
“人類はMINDの奴隷だ”というモーフィアスのセリフがそれを物語る。
人類は自らの恐怖に負け、MINDに隷属している。
反乱軍として登場する人々は、脳機能を肥大化させ、自滅の道を歩んだかつての人類の過ちを清算している最中なのである。
そのとき歴史が動いた
”Believe”と”Choice”が恐怖からの解放のカギ
物語が進むにつれ、主人公ネオはプログラムを凌駕する力を身につけていく。
その進化が急速に進む時、決まってトリガーとなったのは
“beleive”と”choice”、「信じる」と「決断」という二つの力だ。
例えば、モーフィアスが自ら身代わりとなりエージェントからネオを守るシーン。
この時モーフィアスは「ネオこそが救世主である」ということを”信じ”、「自らの命と引き換えにネオを守る」ということを”決断”した。
エージェントに捕らえられたモーフィアスは、拘束され拷問を受ける。
ザイオンへのアクセスコードが機械側に知れれば、人類は殲滅させられる。それだけは避けなければならない。
反乱軍は、泣く泣く彼のプラグを抜くことを決める。
それに待ったをかけたのはネオだった。
彼は預言者オラクルから「モーフィアスか自分、どちらかの命を選ぶことになる」と預言されていた。
ネオは「自分がモーフィアスを助ける」ことを”確信”する。
そして再びマトリックスへアクセスし「エージェント達と戦う」ことを”決断”した。
このネオの”決断”は、新たな”信じる”を呼び込む。
「ネオをサポートする」と”確信”したトリニティは、「ネオと一緒にマトリックスへ入る」ことを”決断”する。
こうして二人はモーフィアスの救出へ向かう。
球出劇の最中エージェントと対峙したネオは、驚くべき進化を遂げていた。
弾丸をエビ反りでかわす、あのシーンである。
(ここ に続く)
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