韓国の国立中央博物館は、平成30年12月に、高麗建国1100周年を記念して「大高麗展」を開催しようとしています。
高麗は、契丹の属国、金の属国、元の属国(ほぼ、元の直轄地)でした。
元はモンゴル人の国で船を造ったり航海技術はなく、元寇は、モンゴルと元の属国である高麗が一緒になって、文永の役(1274年)、弘安の役(1281年)により、日本を襲来したということになります。
元と高麗が日本を侵略しようとしてから1000年経過していません。
高麗仏画は合計160点ほどが現存し、このうち日本に約130点が所蔵され、米国とヨーロッパには10点が所蔵され、韓国に20点ほどが所蔵されているとのことです。
また、日本の重要文化財に指定されている高麗青磁や経典、螺鈿漆器数点もあります。
まず、フランスが、「一時差し押さえ免除」法律を要求して、法律が制定されなければ、貸出せないと拒否しました。
フランスに貸与を依頼したのは、世界で金属活字で刷られた最も古い本で、フランスが所蔵している「直指心体要節」(1337年刊行)だそうです。
1886年、フランスの外交官コラン・ド・プランシ(Collin de Plancy)が購入して、フランスに持帰り、フランスの自国に持ち帰ったもので、コラン・ド・プランシの死後にフランス国立図書館に寄付され、フランス国立図書館が所蔵しているものです。
フランス政府は韓国に対し「一時差押さえ免除法」の制定を要求しました。
フランス外交官が違法に持出したものであり、韓国の個人や団体が所有権を有するとして、韓国の個人や団体が、韓国の裁判所に、差押さえ命令を求める裁判が提起されかねないからです。
韓国の裁判所ですから、どんな無茶苦茶な裁判をするかわからないとのフランス政府の判断でしょう。
次に、台湾にも、台北國立故宮博物院から高麗とほぼ同時代の宋の文物を借りようとして、この法律がないというので断わられました。
これは、台湾の絶対の方針で、相手が韓国だから信用ができないというものではありません。
台北國立故宮博物院の場合、中華人民共和国や中国共産党の意をうけた団体が、貸出国の裁判所に対し、「差押さえ命令」依頼の裁判をおこしかねないという危険があります。
日本は、「海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律(海外美術品等公開促進法)」を作って、台北國立故宮博物院の日本での大規模な展覧会をしました。
アメリカ、日本、イギリス、カナダなど多くの国は海外との文化交流を促進する目的で「文化財差し押さえ防止」を定めた国際条約に加入するか、あるいは、別途、国内法を制定しています。
ただ、韓国は、他国から、いくら求められても「一時差押さえ免除法」の制定をしていません。
韓国政府は、まともな展覧会の開催ができないから、法律を制定したいというのが本音だそうですが、与党が選挙で不利になりますから、制定できないそうです。
日本の文化庁も、フランスや台湾と同じように、「一時差押さえ免除法」の制定を要求しました。
当然ですね。
平成24年に韓国人窃盗団が長崎県対馬市の観音寺から盗んだ「金銅観音菩薩坐像」について、韓国の大田地方裁判所は、観音寺の返還要求を退け、忠清南道瑞山市の浮石寺に渡すよう命じる判決を下しました。
日本政府は「明らかな盗難品を返還しないことは国際法に違反する」と指摘しましたが、聞く耳を持たないようです。
この判決が出されて以降、日本だけでなく韓国の文化財を所蔵する他の国の博物館や美術館も韓国への文化財の貸与に否定的な態度を見せているようです。
「自業自得」ですね。