高森町が受け入れているウクライナ避難民4世帯9人が14日、滞在していた温泉宿泊施設から同町山吹の町営住宅に引っ越した。9人の希望を踏まえ、3部屋に分かれて入居。将来的には経済的な自立を目指し、町で生活する。
この日は午前10時半ごろに宿泊施設を出発。住宅に隣接する集会所で各部屋の鍵と在日ウクライナ大使館から贈られた携帯翻訳機を受け取った。
町営住宅はメゾネットタイプの3DK。町が冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機など必要な家電を揃え、当面は使用料を免除する。9人は早速荷物を運び込むと、町職員からガスの使い方などの説明を受けた。
母国に両親を残して避難しているクズニェツォバ・カテリーナさん(19)、ヴィタリ君(10)姉弟はスタシウク・ディナさん(36)一家と同居することを選んだ。荷物を運び終えたカテリーナさんは「これから思い通りの生活ができそう」と笑顔。ヴィタリ君は「畳の上に布団を敷いて寝るのに慣れるまで時間が掛かるかも」と話した。
ディナさんは「(カテリーナさんとは)姉妹のような関係なので一緒に住むことができて心強い」といい、和室での生活は「宿で2週間ほど過ごして慣れたので問題ないと思う」と話した。
町や禅道会によると、9人の当面の生活費には禅道会が集めた寄付金を充てる。16日以降は講師を招いて日本語を学んでもらう予定で、聞き取りを進めて今後の就学・就労支援を行っていく。
◎写真説明:引っ越しの荷物を運ぶ避難民ら