Oil&Texas

エネルギー産業がもたらしたテキサスの発展

こんにちは。マイテキサス不動産です。

以前から何度かお話していますが、テキサスは、この20年ほどの間で、人口や経済が最も早く成長を遂げている州の一つだというデータが出ています。

そして、その成長を大きく後押ししているのが、エネルギー産業です。

 

テキサスのエネルギー産業は、実はこの数十年どころか、19世紀の中頃から始まっています。

1850年代に、石油から灯油を精製する技術が開発され、燃料としての石油需要は世界的に大きくなっていきました。

John_D._Rockefeller_1885

 

そして1860年代には、地層の奥深くから石油を掘削する技術も発明され、石油需要の高まりとともに、ロックフェラーが設立したスタンダード石油などの石油精製所がアメリカ各地に作られるようになり、石油産業は大きく発展していくようになりました。

テキサスでは、アメリカの石油産業が発展するよりも以前から、埋蔵されている石油があることは地元の人間に知られていましたが、むしろ、井戸水を掘るのに邪魔な存在だとさえ思われていたようです。
その当時は、完全に地下水のほうが、石油よりも価値があったみたいですね。

 

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しかし、アメリカ国内で石油産業が発展してくるにつれ、テキサスでも状況が変わっていきます。

1866年の初め頃、テキサスの東側のエリアで、既存の幾つかの油井(井戸水を掘ろうとして発見していた、石油が湧き出る泉)から、石油の生産を始めるようになり、石油需要の高まりを受けて、州内の他のエリアでも埋蔵調査と掘削が始まります。

 

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テキサスの石油産業において、大きな転機となったのは、1901年1月10日、ヒューストンの東にあるボーモントという土地の、スピンドルトップ(Spindletop)という場所の油井が発見されたこと。

ここは、1日あたり約8万バレル(1バレル=42ガロン)以上という、今までテキサス州内で掘られていた油井や、アメリカ国内の他の石油精製所とは比較にならないレベルの石油生産高を実現する規模の油井でした。

1885年にドイツのベンツからガソリン自動車がリリースされたことから、ガソリン燃焼エンジンの技術が広まるようになり、自動車だけでなく、鉄道など、様々な動力のための燃料として、世界中で石油需要はさらに高まっていました。

 

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1900年代に入ると、大規模な生産ラインによる大量生産というスタイルが確立し、フォードの大衆向け自動車がアメリカ国内に爆発的に普及していったこともあり、石油系燃料は燃料世界の中心へとシフトしていきます。

 

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そんな時代の流れに従い、石油の生産される土地への投機がブームとなり始め、このスピンドルトップ油井の発見以降、アメリカ国内外からテキサスへの投資額はうなぎ登りに増加、テキサスは一躍石油ブームに湧くようになります。

実は、スピンドルトップの油井に埋蔵されていた石油は、わずか数年で尽きてしまったのですが、この油井の発見がきっかけとなり、州内の他の地域で、その後も大きな油田が幾つも開発されていき、テキサスの石油生産量はどんどん増えていったのです。

 

現在、テキサス州は全米で最も石油生産量が多い州であり、また、アメリカは国別石油生産量で世界第1位の国です。

アメリカ国内の生産量の変遷データ:Source EIA(米国エネルギー情報局)
http://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=28672

テキサス州のエネルギー生産リポート:Source EIA(米国エネルギー情報局)
https://www.eia.gov/state/state_one_pager/Texas.pdf

国際的なエネルギー資源生産量データ:Source EIA(米国エネルギー情報局)
*Petroleumが石油です。
http://www.eia.gov/beta/international/

 

石油は「Black Gold」と呼ばれ、今日のテキサスを作り上げるための経済的な礎を築いたと言われています。
石油産業が発展する以前のテキサス州は、林業(製材業)や牧畜、酪農業などによって経済的基盤を作り上げていたのですが、石油ブーム以降は、工業化が一気に進みました。

 

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また、巨額の投資マネーにより、大規模な学校の設立や美術館などの施設の建造など、文化的水準も高くなり、州内の教育レベルも飛躍的に向上し、都市として洗練されていったのです。

産業が発達すれば、そのエリアの経済状態は安定しますし、それに伴い人口も順調に増加、そして、都市や商圏も整備されていくのは当然ですよね。

加えて、最初の石油ブームから約1世紀が経過した2000年代に入ってから、更に深層からの石油の掘削が可能となる新技術が開発され、テキサスでの石油生産量は伸び続けています。

 

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また、テキサスは、天然ガス生産量も全米1位です。(上記EIAリポートに記載あり)
ということは、現代アメリカのエネルギー産業をリードしているのが、テキサスということになるのでしょうね。

 

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今日のテキサスを作り上げてきた経済的基盤は、エネルギー産業にあるというのがお分かりいただけたのではないでしょうか。
産業、経済が発展していることに加えて、教育水準が高い、都市が整備されている、という点も、テキサスの順調な成長、人口増加を後押ししている重要な要素ですね。

 

 

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