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 現在の主なOSと言えばMicrosoftのWindows、AppleのMacOSやiOS、モバイルだとGoogleのAndroidなどが挙げられます。
 しかし、実は現在世界が注目を集めている国産のOSがあるのをご存じでしょうか?そのOSの名前は「トロン」です。この「トロン」はパソコンやタブレットなどのOSではなく、現在普及しているIoT機器類に使用し、テレビやデジタルカメラ、カーナビゲーションなどの電化製品などに使用されており、そのほとんどが現在この「トロン」というOSの技術を使用しています。
 この「トロン」というOSは最近注目され始めていますが、実は昔からこのOSの開発のプロジェクトが存在していました。しかし、あることがきっかけでこの開発は中止となり、一旦闇に葬られました。
TRON01

 開発のプロジェクトが立ち上がったのは1980年代の初めころで、当時東京大学で助手を務めていた坂村健氏を中心として開発が進められました。
 このOSはパソコンから家電まであらゆるもの動かせるようにするというコンセプトのもとに作られ、しかも無料でこのOSをユーザー提供するということから、国内外から170社以上の企業・団体がこのプロジェクトに参加しました。坂村健氏は「基本ソフトは情報化社会の基盤。空気や水と同じ」という考えであったため、このOSの仕様を世界の企業に無償提供しました。
 国内では小中学校など向けのパソコン向けに開発されたOS「B-TRON」を導入する動きがあり、日本政府もこの導入を採用しようとしました。

BTRON01

 この「トロン」は20年前の時点で、世界で一番のOSとして歩み始めようとしたのです。
 しかし、その矢先ある事件がありました。世界の超大国であるアメリカがこの「トロン」の使用に圧力をかけてきたのです。
 平成元年、アメリカの通商代表部が日本に対してこの「トロン」の学校教育機関への導入を阻止ししようと圧力をかけ、また、アメリカで流通させないようにアメリカの国内法である「スーパー301条」にB-TRONを登録してしまったのです。
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 この当時のアメリカでは、アメリカ産のOSである「Windows」がありました。しかし、この「Windows」の性能はその当時の「B-TRON」よりもはるかに劣っており、Windowsで世界シェアを獲得しようとしているアメリカにとってはこの「B-TRON」が非常に邪魔な存在だったのです。また、アメリカはこの当時日本に対して貿易赤字も拡大しておりました。そのため、この「B-TRON」がアメリカ国内に持ち込まれれば、アメリカのコンピュータ業界そのものの存在も揺らぎかねないということでした。
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 アメリカの国内法である「スーパー301条」はアメリカの国内法ではありますが、この法律を適用されれば他の国も影響を与えてしまします。この法律は「スーパー301条」に登録される商品を輸入している国に対し圧力をかけるという、非常にアメリカにとって都合のよい法律となっており、この法律が適用されれば、当然他の国も輸入を制限するということになります。

 また、このような情勢から、日本国内からもこの「トロン」に対して問題視する発言も出るようになり、その結果、この「トロン」の開発が中止となってしまいました。
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 その他にも「日航機123便の事件」というのがあります。この事件は謎が多く、真相は分からない事件ですが、簡単に言うと、この「トロン」の開発者らがこの「日航機123便」の乗っており、飛行機墜落で死亡したという事件です。一説によると「陰謀説」なども噂されていますが、この事件の真相は分かりません。
 詳しく知りたい方は検索するといろいろな憶測の記事が出てきます。
 一旦は過去のものとのなってしまった「トロン」ですが、その後少しずつですが、復活を果たしていきます。

 OSの主流は「Windows」の時代に入り、各家電会社はパソコンと家電を融合させるために技術を開発していきます。いわゆる「IoT」の始まりです。
 最初は家電製品用のOSとしてアメリカ製のOSを各企業は取り入れていました。しかし、このアメリカ製のOSは欠陥が多く、さらに処理速度が遅いため使い物になりませんでした。さらにこのOSは有償ということもあったため、無料で使えて処理速度が速く、安定しているOSとして「トロン」が注目されたのです。
 この「トロン」、最初のコンセプトとして「パソコンから家電まであらゆるもの動かせるようにする」という形で作られていたため、パソコン以外の製品の家電に流用することが可能なOSでした。そのため、各企業はこの「トロン」を家電製品に採用し、現在ではほとんどの家電製品のOSに使われています。
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 この「トロン」の名前が世界中に知られるようになった大きなきっかけは「世界のトヨタ」がこの「トロン」を採用し、コストの大幅削減に成功したためです。その報道が世界中で大々的に報じられ、このOSが世界中で知られるようになりました。

 パソコンのOSとしてはシェアを取れなかったOSですが、その一方で家電製品のOSとして世界的シェアをとったOSで、この技術が日本の技術のすばらしさを物語っています。