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東京電力福島原発と東北電力女川原発の差はなぜ起きたのか?原発問題はいまこそ事業者の資質の検証を!福島第一原発の事故以来、電力会社と原発にはすっかり悪役のイメージが定着してしまった。政府が2月25日に公表したエネルギー基本計画の目玉である「原発の再稼働」という国策の実現を阻みかねない危機的な状況と言わざるを得ないだろう。 なぜ東北電力はコストを度外視して安全対策に取り組んできたのか本書の出発点になったのは、何度か本コラムでもリポートしたファクトだ。東北電力の女川原発が、福島第一原発より震源の近くにありながら、深刻な事故を起こさなかったばかりか、3カ月あまりにわたって300人を超す周辺住民の避難所の役割を果たしたというファクトである。 筆者は、その裏に、福島第一原発と違う秘密があるはずだと考えた。そして、その理由を解き明かそうと、震災から1年を経た2012年3月、女川原発の現地取材に向かった。 第二に、中越、中越沖地震といった他の地域を襲った地震の経験を疎かにせず、想定を超える揺れに備えて6000カ所に及ぶ補強をしていたことだ。さらには、聞くだけでうんざりするほどの防災訓練を日頃から繰り返してきたことがあげられる。 だが、それらは、ひとことで言えば、「考えられる限りの対策を打っていた」と集約できるものだ。筆者は、むしろ、会社経営では無視できないはずのコストを度外視してまで、なぜ、それほど誠実に安全対策に取り組んできたのか、その背景を知りたいと感じた。 この段階で、2つの方向の取材が必要になった。 PR |
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