消滅の危機!?高速艇ジェットフォイルの構造

水中翼船としては全没翼型に属し、翼が全て水中にある。ガスタービンを動力としたウォータージェット推進である。
停止時および低速では通常の船と同様、船体の浮力で浮いて航行し、「艇走」と呼ばれる。速度が上がると翼に揚力が発生し、しだいに船体が浮上し離水、最終的には翼だけで航行する、「翼走」という状態になる。
船体の安定は Automatic Control System(ACS、自動姿勢制御装置)により制御された翼のフラップにより行われる。進行方向を変える場合もフラップを使うため航空機さながらに船体を傾けながら旋回する。翼走状態では、水面の波の影響を受けにくく高速でも半没翼式水中翼船に比べ乗り心地がよい。
翼は跳ね上げ式になっており、停止・低速時の吃水を抑えることができる。また半没翼型と異なり翼の左右への張り出しもないため港に特別の設備なしに着岸できる。また翼にはショックアブソーバーが付いており、材木など多少の障害物への衝突に耐えることができる。
姿勢制御はACSと油圧アクチュエータに依存するので、推進用のタービン共々、航空機なみのメンテナンスが必要である。

3.5mの荒海でも時速80kmの超高速で疾走
ジェットフォイルは、船体を海面に浮上させて走行することで、3.5mの荒波でも時速80kmの超高速で走行することができます。ガスタービンエンジンで駆動されるウォータージェットポンプにより1分間に約150トンの海水を1平方センチメールにつき9kgの高圧力で噴射させて前進します。また、船体の前後にある水中翼の揚力で海面に浮上させます。翼走中のジェットフォイルは、航空機ときわめて似ています。大気の代わりに水で揚力を得ることで、海面に浮上させていることから“海の飛行機”と呼ばれています。

荒海でも揺れない!
航空機と同じシステムによるコンピュータ自動制御装置の働きで、荒海を時速80kmで疾走してもピッチング(船の縦揺れ)、ローリング(船の横揺れ)がありません。

そして安全!
時速80kmからの緊急停止距離は180mで通常の船に比べ安全性・確実性に富んでいます。
※衝撃緩衝装置
海上浮遊物との衝突にも、乗客にはショックを感じさせない装置です。

ジェットフォイルの燃費

カワサキジェットフォイルという会社がある。 川崎重工業の子会社である。
ジェットフォイルそのものは、ボーイング社の製品であるが、 日本国内におけるメインテナンスなどの付帯業務を受託して いるのである。
同社のホームページによると、「43ノットの航海速力で 航走している際の主機ガスタービンの燃料消費量は、およそ 毎時2,150リットル(軽油)です。」と書かれている。
1ノットは毎時1海里(1.852キロメートル)を進む速度である。
つまり、37メートル/リットルである。 定員については、船会社ごとの仕様によるが、東海汽船の場合、 266名である。だから、乗客一人あたりの輸送を燃費で計算した場合、
ジェットフォイル運行は飛行機よりもはるかに燃費は悪い ものの、乗客一人あたりの燃費という観点からみると、乗用車と 大差はないことになる。

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