『万宝料理秘密箱 卵百珍』のレシピです。翻刻テキスト、現代語訳、現代レシピの3種類があります。すべてのレシピに翻刻テキストを用意していますが、現代語訳と現代レシピは一部のレシピに限定しています。なお画像一覧からもレシピにアクセスできます。
現代レシピ
世界に一つだけの黄身返し卵
一度たりとも同じ模様にならないところが、面白い魅力である黄身返し卵。現代の身近な道具で再現してみました。

材料 | 分量 (1人分) |
---|---|
卵 | 1個 |
道具 |
---|
ストッキング 1本 |
懐中電灯または携帯電話のライト |
ラップ |
ワイヤータイまたは輪ゴム |
手順
1 |
![]() |
必要な道具(ストッキング1本・懐中電灯または携帯電話のライト・ラップ・ワイヤータイまたは輪ゴム)を揃える。 |
---|---|---|
2 |
![]() |
ストッキングを半分に切り、真ん中あたりを結ぶ。 |
3 |
![]() |
卵をラップで包む。 |
4 |
![]() |
卵を縦にしてストッキングの結び目まで入れ、卵がストッキングの中で動かないように、反対側をワイヤータイなどで止める。 |
5 |
![]() |
暗い所で卵に光を当て、状態を観察しておく。(この段階では、卵全体が明るく見え黄身が動いていることを確認できる状態。) |
6 |
![]() |
ストッキングの両端を持ち、ぐるぐる回転させて、ねじれをつくる。 |
7 |
![]() |
両手を広げて一気に引っぱり、ぶんぶんゴマのように高速回転させる。 |
8 |
![]() |
6を5回ほど繰り返したら、暗いところで卵に光を当て、状態を確認する。卵全体が暗くなっていればOK。 |
9 |
![]() |
水を張った鍋に卵を入れ、火にかけてから2分たったら、沸騰するまで箸で転がしながらゆでる。 |
10 |
![]() |
沸騰したら弱火にして、10分間ゆでる。 |
11 |
![]() |
火を止めて卵を取り出し、約5分間氷水で冷やす。 |
12 |
![]() |
殻をむいて完成! |
コツ・ポイント
新鮮な卵を使うのがポイントです。高速回転時に卵から「ピチャッ」という音が聞こえたら反転した合図!ゆでる時は、殻にヒビが入らないように、そっとゆでましょう。
レシピ概要
項目 | 内容 |
---|---|
食材分類 | 卵のみ |
主な食材 | 卵 |
調味料 | 糖味噌 |
主な調理法 | 穴を空ける、漬ける(糠味噌)、煎貫(にぬき) |
道具 | 針 |
主な使い方 | 本汁、取肴、二の汁、刺身 |
現代語訳
手順
1 | 産みたての地卵(有精卵)の頭(殻の丸いほう)に、針で小さな穴を開け、 |
---|---|
2 | ぬかみそに5日ほどよく漬け置き、 |
3 | 取り出して水でよく洗い、 |
4 | ゆでると中の黄身が外側となり、白身が内側へ入る。これを黄身返しという。 |
翻刻テキスト
手順
1 | 地たまごの 新しきを 針にて頭(かしら)の方へ すこシばかり穴をあけ |
---|---|
2 | 扨能(さてよく)糠味噌へ 五日ほど漬おきて |
3 | 取いだしよく水にて洗ひ |
4 | 煎貫にすれば 中の黄味が 外へなり 白味が 中へ入ル 是を黄味返しといふ |
使い方など
遣ひ方は 前に同し(※簀子焼卵の項参照)
日本古典籍画像の閲覧(IIIF Curation Viewer): 画像表示 / サムネイル表示
ライセンス
『江戸料理レシピデータセット』(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター作成) 『日本古典籍データセット』(国文学研究資料館所蔵)を翻案 はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンス(CC BY-SA)の下に提供されています。
ご利用の際には、例えば以下のような表示をお願いします。
『江戸料理レシピデータセット』(CODH作成) 『日本古典籍データセット』(国文研所蔵)を翻案
また可能な場合には、データ提供元である人文学オープンデータ共同利用センターへのリンクをお願いします。