島根県の日本海沿岸に3月、ポリタンクが大量に漂着した。その大半にハングル表記がみられ、一部には強酸性液体の内容物が確認された。ポリタンクの漂着は近年、日本海沿岸を中心に増えており、同県では昨年2~3月にも約3千個が流れ着いた。歓迎されざる冬の風物詩となりつつある状況に、沿岸自治体は困惑している。
3月2日午後2時ごろ、同県出雲市の海岸部をパトロールしていた県出雲県土整備事務所の職員が、湊原海岸にポリタンクが21個漂着しているのを発見。周辺を巡視した結果、約17キロの範囲で538個のポリタンクを確認し、その大半にハングルの表記がみられた。
県は他地域にも漂着しているとみて、巡視を強化。16日までに、同市など7市町で2301個の漂着を確認、2124個が回収された。このうち、182個に内容物があり、検査を終えた162個のうち96個に強酸性、8個に弱酸性、2個に弱アルカリ性の液体が残存していたことが分かった。漂着はこれ以降、目立ってはないという。
一方、ポリタンクの漂着は近隣でも相次いでみつかり、鳥取県では3月12日までに161個を回収。山口県や兵庫県、京都府などでも確認された。島根県によると、流れ着く量は近年増えており、平成28年には県内で4051個に上った。