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【2024/03/28 21:49 】 |
2000年もの耐久性を誇るローマ時代のコンクリートは海水の腐食によって強度をあげていた(転記記事)

---転記始め---

2017年07月05日 08時00分 サイエンス

2000年もの耐久性を誇るローマ時代のコンクリートは海水の腐食によって強度を上げていた


コンクリートというと近代技術だと思いがちですが、実は古代ローマにも「ローマン・コンクリート」という建築材料が存在し、パンテオントラヤヌスの市場といった建築物で使われていました。現代のコンクリートの寿命は100年程度だと言われているところ、海中から見つかったコンクリートの構造物は実に2000年の年月に耐えたということで、「なぜこんなにも耐久性が高いのか?」と研究が進められていたところ、海水の腐食によって強度を上げるという仕組みだったということが最新の研究で発表されました。

New studies of ancient concrete could teach us to do as the Romans did
https://phys.org/news/2017-07-ancient-concrete-romans.html

Phillipsite and Al-tobermorite mineral cements produced through low-temperature water-rock reactions in Roman marine concrete | American Mineralogist
http://ammin.geoscienceworld.org/content/102/7/1435

ユタ大学の地質学者マリー・ジャクソン氏が行った研究によると、ローマン・コンクリートの結合力はその構造と海水に含まれるミネラルによるもので、コンクリートの隙間を海水が通り抜けることで、ミネラルの結合を強めるという構造とのこと。実際に、紀元後79年ごろにガイウス・プリニウス・セクンドゥスが記した「Naturalis Historia」という書物の中には、海水にさらすことで耐久性を上げることができるコンクリートの構造物について記されています。


コンクリートを作るにはまず、火山灰・石灰・海水を混ぜてモルタルを作成し、それをコンクリートの骨材となる火山岩が入った型枠内に流し込みます。火山灰と水と生石灰が混ざると、結合能力を持つ化合物が生成されるポゾラン反応が発生し、凝灰岩ができる時の要領でコンクリートが完成するわけです。

現代モルタルの材料として使われているポルトランドセメントでも砂や砂利などが骨材として使われていますが、ローマン・コンクリートとの大きな違いは、それぞれの粒子が化学反応を起こさないように構成されているということ。化学反応が起こるとコンクリートがジェル状になり、ヒビが入ったりと耐久性がなくなってしまうためです。


ジャクソン氏が調査を行ったところ、なぜこんなにもローマン・コンクリートの耐久性が高いのかという理由の1つは、骨材とモルタルの間のミネラルの連晶がヒビを防ぐということにあるとのこと。現代のコンクリートの骨材の表面は化学反応を起こさないので構造物が長くなるほどヒビが入りやすいのですが、ローマン・コンクリートは構造物に長さがあってもミネラルの連晶によってヒビが入りにくいのです。

また、2002年から2009年までに行われた別のプロジェクトにジャクソン氏らが参加したところ、海水につかったローマン・コンクリートのモルタルからアルミナトバモライトという珍しいミネラルを発見したとのこと。アルミナトバモライトはポゾラン反応によって石灰の粒子の中で結晶化されているのですが、もしアルミナトバモライトを人工的に作り出そうとすれば非常に高温の研究室を必要とし、しかも生成される物質はごく少量になってしまうので、ジャクソン氏は「アルミナトバモライトを作り出すのは非常に難しい」と語っています。

新たな研究でジャクソン氏らがミクロ回折やマイクロ蛍光分析といったさまざまな方法で調べたところ、アルミナトバモライトやフィリップサイトといったミネラルがパミスの粒子や孔から発見されました。これまでの研究結果を見たジャクソン氏らは、ポゾラン反応だけではコンクリートの寿命は限られているため、別の何かがコンクリートが完成してから100年後にも温度の低い環境でミネラルを成長させているはずだと考えていました。そして、今回の調査で、海水がコンクリート製の防波堤や桟橋を通り抜けることで火山灰の成分が溶け、ミネラルが成長したことを結論づけたというわけです。


アルミナトバモライトは珪酸が多く含まれた物質で、火山岩の中にある結晶と同じような形をしています。結晶は平たく母岩を固く結びつける力を持つため、アルミナトバモライトが成長することでコンクリートはより硬さを増していきます。現代では一般的に悪い意味で捉えられる「腐食」のプロセスを利用して、ローマン・コンクリートはさらに強度を上げたというわけです。

ではなぜ、このローマン・コンクリートが現代でもポルトランドセメントの代わりに使われないのか?というと、「レシピが完全に失われた」ためだとジャクソン氏は語ります。もちろん古代ローマの文書を解読しようという試みは行われているものの、正確な方法は2017年現在、まだ分かっていません。また、海水の中で強度を上げていくには時間がかかり、またポルトランドセメントに比べて圧縮強度が低いという理由から、そのまま現代で広く活用されるという可能性は低いものと見られています。


一方で、潮力発電用の人工ラグーンをイギリスで作る計画があり、建設コストをカバーするには120年は稼働する必要があると考えられています。そこで、腐食に耐えられるラグーンを作り出すために考えられているのが、ローマン・コンクリートの技術とのこと。ただし、長期間にわたる化学反応がどのようなものかについては、まだ謎が多く残っているため、ジャクソン氏らは引き続き研究を行っていくとのことです。

---転記終わり---
   転記元は「Gigazine」(ここ をクリック emoji

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