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実は満身創痍の「三菱重工」「三菱グループの『モノ作り』が衰退している」と言われて久しい。実は、最初にその兆候が表れたのは、相川賢太郎が会長として君臨していた時代の三菱重工だった。三菱自の最初のリコール隠しが発覚する直前の2000年3月期に、三菱重工は海外プラント工事の採算悪化によって、連結最終損益が1370億円の巨額赤字に転落。翌2001年3月期も203億円の連結最終赤字が続いた。1990年代後半に会長だった相川が檄を飛ばして安値受注を推進。製造段階でコストダウンを図って利益を上げる計画だったが、その思惑は実現しなかった。「受注価格が低過ぎると誰もが思っていたのに、会長(相川)の方針に異議を唱えることができなかった」と当時の重工幹部は話していた。 無理なコストダウンは生産現場に不当なプレッシャーを及ぼす。1999年に社長に就任して相川の尻拭いをすることになった西岡は、「現場を回ってその荒廃ぶりに驚いた」と後に語っている。実際、2002年4月から7月にかけて同社名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場(愛知県)で航空自衛隊機の電気系統ケーブル切断事件が、さらに同年10月には長崎造船所で建造中の大型豪華客船「ダイヤモンドプリンセス」で放火と疑われる火災事故が相次ぎ発生するなど、「現場の荒廃」を彷彿とさせるような不祥事が起こっている。 こうした現場の荒廃に苦しんだ西岡が「重工の士気高揚」を目指して着手した半世紀ぶりの国産旅客機「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」の開発は難航し、当初2013年を目指していた1号機の機体納入は4度の延期を余儀なくされ、現在の目標は2018年にずれ込んでいる。 また、長崎造船所ではその後もトラブルが絶えず、2011年に受注した大型豪華客船「アイーダ・プリマ」など2隻の建造は、基本設計の遅れやその後の設計変更などで損失が膨らみ、受注総額1000億円に対し2300億円の赤字を出すという前代未聞のプロジェクトになった。さらに米国では、カリフォルニア州にあるサンオノフレ原発で2012年に起きた配管破損事故が、三菱重工の設計ミスに原因があるとされ、同原発を運営していた米電力大手サザン・カリフォルニア・エジソン社から75億7000万ドル(約8300億円)の損害賠償を求められている。ことほどさように現在、三菱重工は満身創痍であり、またもや破綻に瀕した三菱自に救いの手を差し伸べるどころではなかったのである。 転記元はこちら ![]() 転記元は ここ をクリック ![]() PR |
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