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【2024/03/29 17:33 】 |
温泉発電の「落とし穴」、別府の事例(転記記事)

---転記始め---


自然エネルギー:温泉発電の「落とし穴」、別府の事例 (1/2)

温泉の源泉に市販のバイナリー発電機を据え付けると、24時間安定した電力を取り出すことができる。井戸を掘る必要もなく、固定価格買取制度(FIT)の対象であり、理想的な再生可能エネルギーに見える。しかし、幾つかの落とし穴がある。大分県別府市内の事業を担当した西日本地熱発電の事例を紹介する。

» 2014年03月12日 19時30分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20130312Gotoh_map_250px.jpg 図1 大分県別府市と発電所の位置

 「温泉を利用したバイナリー発電の課題の1つは、発電事業を始めようとする源泉所有者が、多額の設備投資を負担しなければならないことだ」(西日本地熱発電の代表取締役である小俣勝廣氏)。

 同社が第1号案件として立ち上げた「五湯苑(ごとうえん)地熱発電所」(大分県別府市南立石)の出力は144kW。固定価格買取制度(FIT)を利用して九州電力に全量を売電する。「年間の売電収入2100~2200万円に対して、総投資額は1億5000万円」(小俣氏)。この額を個人や小規模な旅館が負担することは難しい。

 小俣氏は、温泉を利用した発電にこのような課題があることに気付き、2012年11月から新事業を計画、2013年4月に大阪の2企業と地元の企業を集め、4社の出資を受けて西日本地熱発電を設立した。設立後に五湯苑の案件が事業化に適していること見出したのだという。

 この案件は、大分県新エネルギー導入加速化モデル事業の認定を2013年7月に受けている。「泉源レンタルによる温泉熱バイナリー発電事業」である。「金融機関の関心も高く、大分みらい信用金庫からの融資を受けることができた」(小俣氏)。工期は約6カ月であり、2013年3月に完成した。

 温泉発電には初期投資以外の課題もある。利害関係者が多いことだ。源泉を所有するのは多くの場合、温泉組合だ。複数の旅館などが源泉の湯を利用する。従って、関係者の同意を得るために時間がかかる。「五湯苑の場合は、源泉の所有者、土地所有者とも個人だ。2014年5月には第2号案件に着手する。この案件も個人所有だ」(小俣氏)。

 同社のビジネスモデルでは、源泉所有者の代わりに源泉の温度や湯量を事前に調査し、発電設備を設計、調達、設置する。運営と保守管理も担う。源泉所有者が初期投資を負担する必要はなく、各種手続きも代行する。「(FITの)収益を源泉所有者や土地所有者に使用料として還元する形だ」(小俣氏)。

神戸製鋼のパッケージ型発電機を利用

 温泉バイナリー発電に利用したのは神戸製鋼が開発、販売する発電機「マイクロバイナリーMB70H」(図2)。出力72kWの機種を2台設置した。「設置工事は全て西日本地熱発電が進めた」(神戸製鋼)。

yh20130312Gotoh_field_430px.jpg 図2 五湯苑地熱発電所の外観。空色の箱が2台のバイナリー発電機 出典:神戸製鋼

 神戸製鋼は小型バイナリー発電機を2種類製品化している。1つが70~95度の温水を利用し、最大70kW(発電端)を得る今回の製品であり、温泉での発電に向いている。価格は2800万円。もう1つが110~130度の蒸気を利用して同125kWを得る「MB-125S」だ(関連記事)。こちらは工場内での利用に向いているという。

 2011年10月に低温向けを、2013年8月に高温向けを発売し、これまで全国に約20台を出荷。2種類の製品の販売比率はほぼ1:1だ。

(2ページ目)

温泉発電には規制緩和が必要

 西日本地熱発電によれば、温泉でのバイナリー発電では政府による規制が重い負担になっている。「五湯苑の源泉からは145~146度の蒸気を得ている。これを熱交換器に通してわざわざ100度以下の温水に変え、この温水を発電に使う。発電の効率や設備費用を考えると、蒸気をそのまま使う方が有利だ。だが、経済産業省の規制により、温泉発電では温度100度、大気圧という制限を超えると、とたんに事業負担が重くなる。これを改善できないか、要望を出しているところだ」(小俣氏)。

 この負担とは、「バイナリー発電設備に係るボイラー・タービン主任技術者の選任及び工事計画届出等」である。2012年4月と7月に実施された規制緩和では、熱源が輻射熱か、大気圧100度以下の水・蒸気の場合、技術者と届出が不要になった。だが、100度を超える蒸気は依然として規制の対象だ。技術者の人件費と届け出や検査に掛かる費用が負担になり、合計すると初年度で600万円以上になるという試算もある。

 このような意見に対して、経済産業省が動いた。「2014年3月10日に開催した産業構造審議会保安分科会電力安全小委員会(第5回)では、国内の各種温泉のデータを提示し、100度以下、大気圧以下の条件を撤廃することについて委員から了承を得た。今後パブリックコメントを経て、問題がなければ改正する」(経済産業省商務流通保安グループ電力安全課)。ただし、規制が緩和されるのはバイナリー発電機の内部に封入されている作動媒体が代替フロンなどの不活性ガスの場合に限る。ペンタンなどの炭化水素やアンモニアを作動媒体に使っている場合は、従来通りの規制が掛かるという。

 なお、神戸製鋼の製品*1)を含め、100度以上の蒸気を利用する多くのバイナリー発電機は、製品開発時に経済産業省の規制を考慮しており、工場などほぼ純粋な蒸気を利用する場面に適した仕様を採っている。今後は温泉のようにさまざまな成分を含む蒸気に適した製品を新しく開発する必要がありそうだ。

*1) 神戸製鋼は、作動媒体に規制緩和の対象となるHFC245fa(代替フロン)を利用している。

---転記終わり---
   ・「温泉発電の「落とし穴」、別府の事例」(ここ をクリック emoji

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